ヨーガの起源は、約5000年前のインダス河流域であったと言われています。
紀元前300年頃、パタンジャリ大師という聖者が、ヨーガ行者達に伝承されてきた多くの格言を「ヨーガ・スートラ」と呼ばれる書物にまとめました。
現代における様々な悩みの解決方法、生き方の指標が、古来伝わるこのような聖典群に書かれています。
現在の日本で主流のヨーガは、インドからアメリカに伝わりそして日本へやってきた、美しいアーサナ(ポーズ)を取ることを主な目的としたヨーガです。
けれども本来インドで生まれたヨーガは、美しいアーサナを目的としていません。
自分自身と向き合うことを通して自分自身を知ることを目的としています。
身体だけでなく心の深い所にもアプローチするのが、伝統的ヨーガなのです。
1920年代、インドのマハラシュトラ州ロナワラ市にあるカイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所で、伝統的ヨーガを現代科学の方法論で調査・研究し、一般の方々にも役立てることができるようその原理を解明しようという意図のもと、研究が開始されました。
ヨーガセラピー(ヨーガ療法)は、このような伝統的ヨーガの技法や智慧を研究したものに改良を加えることで、疾患を持つ方でも安全に行うことがでるようアレンジされたものです。
ヨーガセラピーでのアーサナは、自分を知るための手段であり目標ではないので、美しいポーズやアクロバットなポーズは取りません。
身体が硬いとか太っているとか運動不足だとか、心配しなくて大丈夫です。
ヨーガセラピーでの目標は、”ありのままの自分を知ること”なのです。
自分の外側(競争や見た目の美しさ)に意識が行ってしまうと、自分の内側(自分本来の姿)がわからなくなります。
ヨーガセラピーを通して、”過去への後悔”や”未来への不安”に振り回されることなく、”今ここ”にいる自分を深く知る、それが大切です。
西洋医学では解明できない症状に悩み苦しんでいる方は多く存在します。
全国のヨーガ教室では、生徒さんの6割が何らかの疾患を抱えていて4割が実際に通院しているという傾向が見られています(※)。
生徒さん達は、ヨーガに症状の改善を求めていることが分かりました。
ただ、ヨーガを実習し一時的に症状が改善しても元に戻ってしまうケースが多く見られます。
症状の根源にアプローチしていないからです。
(※)2013年厚労省・九大医学部・日本ヨーガ療法学会共同調査研究より